賞与は?残業時間は?残業代は?~ 事前に把握し損しないようにする ~

賞与と残業のスタンスは会社によって異なります。ありがちなパターンを紹介します。

賞与と残業スタンスは会社による(写真:Unsplash)

賞与について

賞与は会社によってスタンスが異なります。例えば毎年同様程度の金額が支払われる事もあれば変動が激しい場合もあります。賞与が非常に少ない場合もあるでしょう。賞与支給スタンスをパターン別に説明します。

一般的な賞与

企業の業績、個人の成果に加え、企業の独自ルールにより賞与額が決まるケースです。賞与のボリュームは1か月分など非常に少ない額から数か月分など、企業により異なります。また企業によっては業績が悪い場合、賞与が大分減る可能性があり得ます。業績のみならず企業の独自ルールにより決定するため、賞与の根拠は多種多様です。(個人成果が大きい、個人の利益貢献が大きい、勤続年収が長い、業績が良い、内部留保が高まり還元の施策が強まった 等)

安定した大きな賞与

安定して大きな賞与が出るケースです。特に大企業でこのパターンが多く、著しい業績悪化が起きない限り、安定して大きな賞与が出ます。金額が大きいため年収も高めになりがちです。

業績連動型賞与

一般的に賞与は業績の影響を受けるため業績に連動していると言えますが、会社が制度として「業績連動型賞与」をうたっている場合、「会社の業績、もしくは所属事業部の業績」の影響が強い賞与となります。当然、業績が悪い場合、非常に低くなってしまいます。場合により社内でも事業部によって大差が出る場合もあり得ます。(例:A事業部は業績が良く50万、B事業部は業績が悪く20万など)
ただし企業の業績は従業員の直近の労働が強く関係しない要素もあります(今年の取り組みは5年後に影響する等)。そのため給与の大きな比率で設定している会社は少ないでしょう。(例 : 一般的な賞与に加え、少量の業績連動型賞与など)

固定賞与(年俸制13分割以上)

あらかじめ年収(年俸)を決め、決められた賞与が支払われるパターンです。年俸を13以上に分割し分割分を毎月分に支給され、残りが賞与として支払われます。この場合、業績が多少悪くても賞与は支払われます。


14分割の場合 : 30万が月給、30万を夏季と冬季賞与として支給。年収420万。

16分割の場合 : 40万が月給、80万を夏季と冬季賞与として支給。年収640万。

固定月給(年俸制12分割)

あらかじめ年収(年俸)を決め、12分割で月給が支払われるパターンです。賞与比率がゼロのため会社の業績都合を一切受けません。また転職する方の場合、賞与支払い月まで待つ必要がないメリットもあります。

残業時間・残業代について

残業量や残業代に関しても企業によりスタンスが異なります。残業は減少傾向ですが、業界や会社・役割などによっては今だに残業が多いケースはあり得るでしょう。残業・残業代について説明します。

残業が多く残業代が支払われない

もっともブラックなパターンとして残業が多く残業代が支払われない会社です。多くの残業をしているにも関わらず残業代が支払われず、手続きもずさんなパターンです。(主な会社 : 中小・ベンチャーなどの一部)

固定残業代(みなし残業代)

月給にあらかじめ「固定残業代(みなし残業代)」を計上し、月給に残業代が含まれるという考え方です。特に残業が多めな業界で適用される場合が多いです。企業が「残業を支払わない」「残業時間を計上しない」というのは法令違反になるため、残業代があらかじめ月給に含まれるという考えになります。(固定残業時間として20時間や40時間などが設定されます。) そして同じ「固定残業制度」でも会社によってスタンスが異なります。

固定残業時間オーバーの場合、追加残業代が発生する会社

固定残業時間をオーバーした場合の追加残業代が発生するパターンです。(法令を厳格に遵守する場合は、オーバー分の残業代が発生します)

固定残業時間MAXの残業をする会社

残業が多めの会社では、固定残業時間程度の残業をするパターンがあり得ます。(例: 固定時間が40時間であれば、40時間程度は残業します。みなし残業時間内のため、追加残業代は発生しません。)

残業しなくても固定残業代が発生する会社

企業によっては残業がほぼ無い場合でも、固定残業代を発生させている会社もあります。(会社側の念のための対策になります。)

固定残業時間オーバーでも残業代が発生しない会社

グレーゾーンとして固定残業時間をオーバーしても残業代が発生しないパターンがあり得ます。例えば残業申請をしないと残業できない等のルールとなっており、実際は残業しても残業代として計上されないケースはあり得えます。ただし世間的に残業が減少傾向のため、このようなグレーゾーンでも大きな問題視はなされないでしょう。

固定残業時間が60時間、80時間など非常に多い会社

固定残業代の時間枠が60時間、80時間など非常に多いパターンです。この場合、かなりの残業をしても固定残業時間を超えることは無いため、追加の残業代はありません。ただし残業時間が月間45時間越えの状態化は法令違反となるため、このようなルールを設定する会社はブラックな風土である可能性があります。

残業にならない時間外労働がある

目標達成やスキルアップのために労働時間には計上されない時間外労働をするパターンがあります。例えば、朝早く来て何らかの業務準備をしたり、自宅で夜や休日に仕事の勉強をします。「昔から習慣化している会社」「モチベーションが高い人が多い会社」「給与が高めな会社」などでは当然のように行われている会社もあるでしょう。

管理職とみなして残業代が無い

残業代が発生しないパターンとして、管理職とみなして残業代が発生しないパターンがあります。管理職は、部長などの組織の長になりますが、会社によりスタンスが異なります。ただし役職が高そうに見えても決定権や相応の報酬が無ければ、残業代は支払い義務はあります。過去の裁判でも労働側に有利な判例が出ており、残業代を発生しなくても良い管理職は一部に限られます。

ただし管理職は一般社員より人数が少なく、また責任者でもあるため文句が出にくく、問題として浮上しにくい可能性もあるでしょう。