中小でのイレギュラーな高い給与 ~ 平均給与が低くても自分が低いとは限らない ~

中小規模の会社で給与が高い人は大きな責務が発生する

小規模ベンチャー・中小企業などの中小規模の会社で給与が高い人は大抵大きな責務が発生します。具体的には下記のような責務です。

中小・ベンチャーでのイレギュラーな高い給与(写真:Unsplash)

責務の例

  • 業務量の多さ
  • 高い専門性
  • 高い目標設定
  • 無理なスケジュール
  • 部門業務の管理責任

特に大企業に勤務する人の水準からするとベンチャー・中小企業は「わりに合わない」と思う人が多いでしょう。(大企業でも上記のような負荷がかかるケースは当然ありますが、給与にはしっかり反映される場合が多いです。) そのため大企業からベンチャーや中小へ転職する場合、自分の市場価値を探りながら慎重に転職活動を進める必要があります。また仮に似た業務・似た目標設定でも会社規模が小さい方が効率が悪くなる場合が多く(ex: 知名度が低く営業効率が悪い、発注や投資効率も悪い、業務の仕組みが不十分)、責務を果たすのは簡単な事では無いでしょう。

・会社にぶら下がる大企業勤務のサラリーマン(34歳、700万)が「組織への不信感と転職してみたい想い」で勢いで退社したら、想定上に転職活動で苦戦。ベンチャー系企業で担える役割は550万程度だった。(ベンチャー系企業で高い給与の職種は担えない)
・年功序列型企業で管理職となり30名規模の管理職(40歳、1000万)だとしてもベンチャーでは全く通用せず、役割が担えない可能性がある。
・中堅の生易しい優良企業にて実績を出している人(30歳、650万)がベンチャー企業へ同等給与で入社したら、自分がやっていたような仕事は400万程度の若手がこなし、自分は責任が重い仕事を担う必要が出た。

自分の強みを作り高い給与を目指す

年収は上がれば上がるほど責務は増え、仕事が大変になる事が多いです。仮に高い報酬で入社した場合、他の人とほぼ同じ成果では身が危うくなる可能性もあるため、他の人にはマネできないような強みを持つのがオススメです。

強みの出し方

  • 他の人と大きな違いを出す(同じ土俵で勝負する)
    例:クリエーターで高いクオリティを出す、プレイヤーとして営業で大きな成果を出す
  • 他の人と別の役割で違いを出す(同じ土俵では勝負しない)
    例:管理職、専門職で難しい内容を担う、難しい資格の保有する、他の人が苦手な業務を担う

関連: 高い給与を狙うには?~ 給与アップ方法 ~管理職を目指して給与アップ ~6種類の管理職~

小さい会社の方が給与が上がる可能性もある

一般的に規模が小さい会社の方が給与水準は低くなる傾向がありますが、あくまで傾向であり誰にでも当てはまる事ではありません。平均的に給与水準が低い会社でも「管理職、営業職、専門職」などの一部の人は好待遇のケースがあります。

  • 大企業の平社員:550万 → 中小企業 課長:700万
  • 大手ウェブサービスのエンジニア:600万 → ベンチャーエンジニア:750万
  • 中堅不動産の営業:700万 → 中小の歩合制営業 1100万
  • 中堅の雑誌編集者 450万 → 中小の編集兼制作 600万
  • 大企業の若手主任:700万 → 知人の会社の取締役:900万
  • 大手通信企業の技術研究職:750万 → ネットワーク関連ベンチャーのPM・エンジニア:900万

中小規模の会社は給与交渉しやすい面もある

給与交渉は「自分のスキル・経験」に加え、「自分の希少性」「交渉のしやすさ」も重要です。

会社規模が大きくなれば大抵は会社の給与相場も上がりますが、自分の希少性は下がります。逆に会社規模が小さくなれば給与相場は下がりますが、自分の希少性は上がります。大きな会社では簡単に見つかる人材でも小さな会社では簡単に見つからず、重宝され給与設定が高くなるという状況です。自分の希少性や交渉のしやすさを上手く見い出せれば、高い給与を実現できる可能性があります。

 大きな会社小さな会社
給与水準高め低め
自分の希少性×/△〇/◎
ルールの強さ強め緩め

また小さい会社では社長や権限を持った取締役がイレギュラーの給与交渉を行うため、大きな会社より制約が少なく交渉をしやすい面もあります。給与水準が低めな点はどうしても不利にはなりますが、希少性をうまくPRし高い給与の実現を目指します。ただし給与水準が低い会社の場合、給与が高い人には高い成果が求められる可能性が高いため注意は必要です。

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