なぜ選考に落ちるのか?選考に落ちる背景を把握し自分の面接に活かす

なぜ企業はエントリーしてくれる人を落とすのか?主な理由を説明します。

なぜ選考に落ちるのか?(写真:Unsplash)

選考が慎重になる背景

まず社員の採用が慎重になる理由を説明します。

マッチしない人を採用してしまうと企業側の被害が大きい

仮に企業がマッチしない人を採用した場合、管理者に負担がかかり、場合により周囲のメンバーに悪影響が出てしまう可能性さえあります。人の考え・能力・癖などは簡単に改善できるものではないため、企業は選考に慎重になります。

簡単に解雇できない

日本の労働基準法では簡単に従業員を解雇できないルールとなっており、一旦問題がある人を採用してしまうと基本的には途中キャンセルできません。そのため少しでも問題を感じた場合は見送りにします。

極力良い人を採用したい

企業は極力良い人を採用したいと考えます。良い人の定義は企業によってまちまちですが「スキルが高い人・事業を強化できる人・風土にマッチする人・辞めない人・割高ではない人」などです。良い人を採用するために沢山の人で選考を行い、慎重に選考していきます。

給与(大きな固定費)が毎年発生する

給与は、年間の支払い金額で数百万と大きな固定費が発生します。人の雇用は非常に大きなお金がかかり途中解約もできず、毎年コストが発生する固定費となるため、検討は慎重になります。

例えば500万の人を5名採用する場合、採用コストを除いても3,000万程度(約600万×5名)のコストが発生することになります。3,000万と聞くと大金ですが雇用できる人数は多くはありません。

必要なコストの例(年収500万の場合)

・給与:500万
・法定福利費の会社負担分:15%の場合、75万
・採用コスト(人材紹介の場合):紹介手数料30%の場合、150万
・初年度の合計コスト:725万
・2年目以降の合計コスト:約600万(575万以上)

周辺メンバーとのバランス(給与・責務・職位)を気にする

給与や責務で周辺メンバーとのバランスが悪い人が入ると、場合により大きな問題を生む可能性があります。そのため周辺メンバーとバランスが取れているか慎重に見られます。

問題の例

X: 「〇〇さんって、給与どのくらいなんですか?」
Y(年下の転職者): 「そんなに多くないですよ。会社の平均の650くらいで前職より微妙にダウンです。。」
X: 「(えっ!俺580なんだけど・・・。そもそもうちの平均って650?) そのくらいですよね・・・。(苦笑)」
Y(年下の転職者): 「はい、仕事に興味があり、給与は我慢して〇〇(大企業)から転職してきました。」
X: 「私もこの仕事、気に入ってるんですよね。一緒に頑張りましょう! (次回査定で必ずアップを成功させよう。でないとやってられない・・・。もしくはこいつが特殊なのか・・?)」

X: 「新しく入ってきた部長、態度が大きいだけでレベル感低いよね。」
Y(同僚): 「自分も同じ事、思ってた。社長の知人らしいけど、知人しか役職者になれないとなると転職した方がいいかもな。」
X: 「あの人(部長)と社長に抗議して改善しなければ辞めよう。Y以外の会社の奴らは好きじゃないから、ちょうどいい機会だ。」

X: 「新しく入ってきた人の給与、ちらっと聞いちゃったんだけど900(万)もあるらしいっすよ。」
Y(近隣チームメンバー): 「えっ!あれで900・・・。」
X: 「俺達はひたすら働いて、600とか・・・。会社は一体何考えてるんだ!」
Y(近隣チームメンバー): 「よし!3か月後の査定で大幅アップを打診しよう。それがダメなら転職だ。」

選考で落ちる理由

エントリーしてくれた方を選考で落とす理由は主に下記が考えられます。詳しくは転職に不利なケースをご覧下さい。

役割が担えない / スキル・経験・能力不足

能力が不十分で役割を担えないと判断されると見送りとなります。特に選考では実際の能力に関わらず、「能力不足と思われる事」で見送りとなってしまいます。

人物像が異なる / 企業コミュニティにマッチしない

「企業がイメージする人物像と異なる場合」や「企業コミュニティにマッチしない」と判断された場合は見送りとなります。成果を出せる人でも、チームワークがうまくいかなくなる可能性があるためです。

給与が高い(給与が割高)

給与が会社の基準や他の候補者より高い場合、見送りとなる可能性があります。

早期退職の可能性がある

早期に退職してしまう場合、業務の引き継ぎや採用活動を再度行う必要があり、企業側にかなりの負担がかかります。3か月以内で退職など短期退職は大きな懸念ですが、1、2年でも短いと感じる採用担当者は多いでしょう。そのため企業はできる限り仕事や風土にマッチする人を探し、短期で辞める可能性がある人は見送ります。

他の候補者の方が良い

企業や求人によっては多数のエントリーがあり得ます。その場合、企業側は極力良い人を選びたいと考え、良い人以外は見送りとなります。また候補者が少ない場合でも企業側のこだわりが強い場合、長い期間で採用活動を行い、良い人を探します。この場合も良い人以外は見送りとなります。

面接がうまくいかない

面接で「自分の強みをPRできない」「粗相」などがあると見送りとなってしまう可能性があります。売り手市場の人の場合、多少の問題があっても選考が進む可能性がありますが、通常の人ではそのような事はありません。そのため面接がうまく進むよう「面接の質問想定や準備」がお奨めです。

関連: 面接の質問は想定しておく / 面接の質問集 ~転職時のよくある質問例~