転職時の給与交渉はどうするべきか?わずかな面接の時間で大きな事が決まる。

転職の場合、新卒のように決められたルールに則っておらず、給与交渉が可能です。給与水準は「会社」「地域」「職種」「役職」などにより大きく異なり、「人それぞれ」になります。転職者が多い会社では同じ会社でも人によって大分異なる場合もあります。また給与交渉だけでアップできる範囲には限度がありますが、何も考えずに面談し機会損失とならないよう、多少なりは周辺状況を整理しておくことがお奨めです。

給与交渉の材料を整理する(写真:Unsplash)

まずは条件を確認する / 状況を把握する

会社によって給与水準・給与の内訳は異なります。一部の情報は求人にも記載されているため、エントリー前でもある程度は確認できます。参考: 賞与は?残業時間は?残業代は?

チェックポイント
  • 配属部署は?
  • 職種は?
  • 想定年収は?
  • 残業時間は?
  • 残業代条件は?
  • 固定残業代(時間)がどの程度含まれるか?
  • 賞与比率は?
  • 賞与は毎年固定で出ているのか?もしくは変動するのか?
  • 退職金は?
  • 役職手当、職能手当は?
  • 評価基準(査定)はどのようなルールか?
  • 業界平均年収は?職種平均年収は?
解説
  • 配属部署は、賞与や入社後の昇格・昇給に大きく影響する可能性があります。
  • 賞与比率は会社により異なります。賞与比率が少ないほど業績に左右されにくくなり、不確定要素が下がります。
  • 同じ会社でも職種により給与体系(賞与比率など)が異なるケースがあります。また自分で給与体系を選択できるケースが存在します。
  • 固定残業代がある会社は20時間~40時間などで設定されます。

評価基準は重要

評価基準は昇給に関わるため重要です。評価基準は「仕組化されている会社」もあれば「実質上司の単独判断の会社」もあります。明確な評価基準があった方が良いように思いますが、不明瞭な評価基準でもメリットがある場合があります。

ポイント
  • 年功序列の場合、年齢が上がれば徐々に給与が上がる。
  • 昇給基準が明確な場合、評価指標をクリアしていけば評価が良くなる。
  • 昇給基準が不明確な場合、決裁者との人間関係で得をしている人もいる。目立った結果が出ればイレギュラーUPがあり得る。

交渉できる事でなくても詳細条件は把握する

交渉できる事でなくても詳細条件は把握しておきます。例えば固定残業代の時間や役職手当など、社内共通で決まっているルールに交渉の余地はありません。しかしながら詳細条件は把握はしておく事がお奨めです。理由としては、将来何らかの環境変動があった際に影響がある可能性があるためです。参考: 転職で想定年収と実際の年収が異なる事はあるのか?

  • 賞与比率が多いケースで、業績が著しく悪くなった場合、想定外に給与が少なくなる。
  • 役職手当が大きく、万が一降格などがあると給与が大きく下がる。

不明瞭な点は質問する

企業側は「ふせたい情報は積極的に伝えない」「手間がかかるため、詳細は伝えない」などの場合があり、詳細条件が不明瞭な場合があり得ます。そのため条件で不明瞭な点は、質問するのがお奨めです。企業側が積極的に言いたくない情報でも、質問すれば回答してくれます。重要な条件の話では嘘は言えません。

給与交渉の準備(事前準備)

把握した情報・自分の希望を整理して交渉準備をします。この準備は非常に重要で、交渉事に慣れてない人はメモ書きなどで考えを一旦整理する事をお奨めします。交渉が苦手・不慣れな人の場合、機会損失する可能性があるためです。

未熟な交渉

  • 現実味がない提案をする。
  • 状況を理解していない。
  • 支離滅裂 / 認識違いや間違いが多い。
  • 沈黙してしまう。
  • 重点を流してしまう。(重要な提案や決断をペンディングし、流してしまう)

給与の根拠となる材料

給与の根拠となる材料を準備し、給与交渉を極力有利に進めます。

  • 現職の給与
  • 現職の実績
  • 自分の強み(給与交渉用)
  • 自分のスキル・経験・実績
  • 自分の年齢
  • 業界・職種の給与相場
  • 会社の平均給与
  • 業務の役割・責務(何にコミットするか?)

ただし業界や職種が異なればまったく通用せず、同じ業界・同じ職種でも会社が変わればまったく通用しない場合もあります。また現職の給与がまったく考慮されない場合もありますし、会社の平均給与が高い場合でも自分にはほとんど影響しない場合もあり得ます。そのため材料を整え、会社から見た自分の価値を推測する必要があります。

そして給与交渉では、条件に応じて話が変動することもあります。話の変動に対応できず機会損失となることが無いよう、事前に条件を想定しておききます。(何を必須とするか?何を妥協するか?)

変動の可能性がある条件
  • 月給と賞与比率
  • 許容できる下限給与
  • インセンティブなどの特別条件
  • 役職(責務)を打診された場合(役職による給与調整)
  • 異なる事業部・職種に配属打診された場合

いざ交渉する

給与交渉は何回も話し合いが出来ないため、準備をしっかり行う事がお奨めです。1回のわずかな時間の面談で、初年度のみならず2,3年目(またはそれ以上)の年収が確定する可能性もあります。年収ダウン・アップともに本人のスタンス次第です。もちろん年収アップが理想ですが、ややダウンでも中長期的に自分のためになれば悪いことでは無いでしょう。

現在の給与(前職給与)は重要

給与交渉で「現在の給与(前職給与)」は大きな交渉材料の一つです。現在の給与・役割を根拠として給与について話し合います。

具体的な根拠で話し合う

自分のスキル・経験、任せられる責任度合いを具体的に考えながら相場・スキルなど根拠となる情報を添えて話します。この場で根拠を強くプッシュできる人は給与を上げられる可能性があります。そのため同じ職種・同等程度のレベル・業務量でも、根拠をプッシュ人できるかどうかによって大きな差が出る場合があります。「精一杯頑張りますので、どうかお願いします」では通用しません。

話の上手さは極論強く影響しない

交渉は「交渉材料をいかに持っているか?」が重要なポイントです。もちろんながら話が上手い人の方が有利ではありますが、交渉材料を持っていなければ限界があります。給与交渉の準備(事前準備)が重要です。「話上手 = 交渉上手」とも言えず、相手に条件を飲んでもらうための現実的な提案が鍵となります。

交渉の場での条件変動を推測する

どのようなスタンスで交渉するかは人それぞれです。会社によっては定期昇給が無く、入社時の給与交渉が非常に重要となるケースもあります。自分に割安感があれば思い切って高めの提案もありですが、根拠の無い吹っ掛けはお奨めしません。吹っ掛け過ぎると印象が悪くなり見送りとなってしまう場合もありますし、自分の能力を大幅に越えた役割になる可能性もあります。

高めの提案の場合、担当者は「逆にどこまででしたらOKですか?」と下限の給与を聞いてくる可能性があります。その際、提示した下限が企業側の水準を大幅に上回っている場合は見送りとなる可能性があります。そして下限を提示すると「まずはこの条件でお願いします」と言われ、下限に近い金額に確定する可能性もあるため、安易に安い金額を言うのも良くありません。

また面接官によっても給与に対する所感は異なります。「ルールとして決められているのか」、「決裁者が指示しているか」、「周辺メンバーと給与水準が合わないか」、「自分が過小評価されているのか」など、個々の話の流れの中で理由を推測しながら交渉するのが良いでしょう。

ジョブ・スキルに応じた妥当な報酬はもらうべき

仕事が出来ない人や平均的な人はさておき、成果を出している人が妥当な報酬を貰えない事は良くありません。実力があり成果を出せる人は妥当な報酬はもらうべきです。「成果が低い不真面目な人が報酬が高く、成果が高い人が報酬が安い」という状況は健全では無く、モチベーションダウンを招く恐れもあります。普段控え目な人でも、躊躇せずに相場に合った報酬を打診するのが良いでしょう。