転職者が多い会社と転職者が少ない会社について社風や評価、給与などについて説明します。
※下記は常に当てはまる事ではなく、あくまで傾向です。参考程度にご覧下さい。
まえおき
転職者が多い会社と転職者が少ない会社の会社タイプを紹介します。
転職者が多い会社
・ベンチャー : ベンチャーは業務経験者を採用する場合が多く、転職者が多い。
・外資系企業 : 外資系企業は転職者が圧倒的に多い。
転職者が少ない会社
・大企業 : 昔から存在する大企業は多くが新卒で入社しており、転職者は少ない。
・一部の中小企業 : 一部の中小企業は採用を新卒中心に行い、転職者は非常に少ない。
転職者・新卒が混在する会社
・一部の大企業 : 大企業でも比較的新しい業界は、転職者と新卒の両方が活躍している。
例: 携帯キャリア、ゲーム、IT系(システム、通信)、ネット関連 等
・中小企業 : 中小企業は「転職者 or 新卒」のようにどちらかに偏りにくい。
理由: 定着率・採用力が弱い傾向でどちらかに偏らせることが難しい
人間関係
転職者が多い会社は「年齢」と「社歴、役職」の関連性が弱くなります。また先輩・後輩のような人間関係は形成されにくいため、個々が独立しています。年下でも「〇〇さん」と呼ばれ敬語で話す事が多いです(社風や人間関係にもよります)。メリットとしては年齢による上下関係が少なく、厄介な先輩に遭遇する心配がありません。デメリットとしては仕事のやり方がわからない場合でも、先輩が手伝ってくれる習慣は少ないです。
また育成には消極的で基本的に自己解決で頑張ります。同時期に入社する人がいても年齢、役職、職種が異なるため、新卒の同期のように友達感覚で相談することは出来ません。個々が独立しているため、帰属意識が低くい場合が多いでしょう。業務外のイベントも少なめです。
転職者が少ない会社は、基本的には年齢で上下関係が決まります。先輩・後輩がおり同期がいます。年功序列的な風土で”人のつながり”が強めです。メリットとしては、迷った後輩社員は先輩社員から色々と教えてくれます。デメリットとしては年上社員の権限が基本的に強く、指示に沿う必要がある点です。特に上下関係が厳しい場合、「厄介な先輩に遭遇する」「無能な上役の先輩社員の指示に従う必要がある」などがあり得るでしょう。また企業コミュニティが強く、業務外イベントの開催など、プライベートの時間に影響がある可能性があります。
キャリアプラン
転職者が多い会社で働いている人は、いつかは転職します。一部には「長い期間勤務する人」「待遇が良いため留まる人」もいますが、基本的に多くの人が次の会社に転職していきます。いつかは転職するため勤務している会社で自分の実績を作る必要があり、キャリアプランも自分で考えていく必要があります。勤務している会社で昇給・昇格するケースはありますが、転職でキャリアアップ・年収アップするケースが多めです。
転職者が少ない会社では年齢上がると権限が高まり、責務・業務レベルが上がる概念です。年齢が上がると業務が幅広くなったり、後輩教育、チーム管理等を行います。実績を積んでいけば昇格し課長や部長などになります。また転職者が少ない会社では市場価値は軽視され、「その会社の独自指標との適合性」の方が重要となる場合があります。
給与
転職者が多い会社では、入社時と年1,2回の査定で給与交渉します。決まった給与テーブルが無い会社が多く、実績などを元に決裁者との面談で確定します。昇給ペースは会社により異なりますが、転職者が多い会社では「入社時の給与がほぼ維持される場合」のみならず、「成果が悪いと給与ダウンになる場合」もあります。減給は転職者が多い会社では非常に珍しいことではありません。
給与は12分割~16分割等で、12分割の場合は賞与が月給に含まれるような感覚です。また会社によっては定期昇給がまったく無く、目立った成果が無いと2年目以降の給与は同じ場合もあり得ます。また前職の業界・会社規模、職種は様々で給与水準は幅広く分散している場合が多いです。
転職者が少ない会社では、年齢が上がることで自動的に昇給する場合が多いです。若いうちは不満が出る可能性もありますが、中長期的には安心できるシステムです。ただし企業によっては「昇給幅が非常に少ないケース」、「成果を出しても年収にほとんど反映されないケース」があり得ます。
転職者・新卒が混在する会社では、転職者と新卒で評価・給与水準がまったく異なる場合があります。新卒が有利な場合、転職者が有利な場合などケースバイケースです。
例
新卒(プロパー)が有利(新卒マジック)
- 新卒入社(プロパー)は大幅昇給するが、転職者はほとんど昇給しない。
- 新卒の方が年上の転職者の人より給与が高い。
転職者が有利
- 新卒は昇給幅が少ないが、転職者は入社時に給与交渉できる。
- 新卒は会社都合で職種や部門を決められるが、転職者は面接時にポジションを話し合える。
能力評価について
転職者が多い会社は、成果を出し評価が良いと昇給していく能力評価を導入している会社が多いです。
能力評価は聞こえは良いですが、査定で能力を測るのは、会社組織というより周辺メンバーや上司になります。指標は会社で用意されますが結局は人が評価するため、バイアスや個人感情が入る事は多々あります。結果的に評価する人との人間関係がある程度重要となり、評価者が認める人が評価されていくことになります。またモラルが低い会社では「レベルが低くてもYesマンを評価する風土」となってしまっている組織も存在するでしょう。表向きには「能力評価」とうたっている場合でも、実態としては「仲良し度合い評価」、「Yesマン評価」となっている状態です。
そして能力評価は「能力の高さ」より「会社との相性」の方が重要となる一面があるため、自分にとって容認できる会社を選択していくのが良いでしょう。
ハラスメント
ハラスメント(パワハラ / セクハラ / モラハラ)は「転職者が多い会社」「転職者が少ない会社」に関係はなく、基本的に人の質・モラルによります。そのため双方でハラスメントの可能性はあり得ます。ただし一部では「転職者割合とハラスメントの関係」として下記のような現象はあり得るでしょう。
転職者割合とハラスメントの関係
- パワハラが多いため、離職率が高く転職者が多い。
- 転職者が多く、個人事に干渉する風土ではないため、問題が起きにくい。
- 転職者が多く、上役の管理が弱く自由なため、小規模・中規模のハラスメントが起きる。
- 転職者が少なく村社会となっているため、ハラスメント体質が改善できない。